ヴェネチア映画祭で「スカイ・クロラ」が公式公開された。
賞を取って欲しいところであるがそれはまたどこかの誰かが勝手に決めること、あとは寝て待つだけである。
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| 押井守監督の作り出す世界がとても好きである。そして監督の作品が単なるアニメとしか評価されない事が理不尽でたまらない。非常に優れた映像作家として非常に有能な職人としてもっともっと同監督の世界を知って貰いたいと願う。 |
日本映画が受賞しないのは予想通りでしたが、まさかミッキーロークが獲るとは・・・。
日本に限らず世界で持て囃される映画は、「今見るべき映画」ではないという、かつて90年代に映画に愛想をつかし、一人戦っていたヴェンダースらしい結論に溜飲が下がる思いです。
映画は今大きく変わりつつあります(もしかしたらそれは終焉ということかも)。押井守が突破しようとしていた映画の壁の向こうには「今の」映画はないというのが今回の作品で私が感じたことです。完成したその先にあるのはシネフィルがかつて好きだった概念としての「映画」に過ぎない。傑作には違いない「スカイクロラ」に対する唯一のそして最大の不満がこれです。以前にも書きましたがこれはアニメーション映画の宿命でもあります。「ポニョ」における宮崎駿の方法論はこれを突破する鍵ではないでしょうか。つまりアニメはアニメとしてしか映画に成り得ないという。
押井さんには出来れば実写で時代の空気を短期間に撮りあげる、いってみればゴダール的(決してゴダールではない)方向に向かっていって欲しいと個人的は思います。
とは言え、押井さんの(映画に対する愛情の証明としての)アニメ作品も大好きなのでこちらも継続して欲しい。まぁ結局、これまで通り映画を創りまくって欲しいということですね。
ヴェネチア映画祭も終わり監督も別のプロジェクトに向かっていることでしょう。
今回の「スカイ・クロラ」では様々な事が大きく変化しました。作品の内容も手法も目的も、そして何より監督本人がまったく違う存在になったようです。
誰にとっても映画の究極の姿に辿り着くことは出来ないでしょう。時代によっても描かれる内容が異なって行き普遍性を保つのは容易では無いはずです。押井守監督はいつまでもそれに挑戦してもらいたいものです。
次作は短篇の時代劇です。短篇作品には長編とは違う時代的なものや一瞬のひらめき、そしてお遊びが満載されています。それもまた楽しいもので期待も膨らみます。